避妊・去勢手術は動物病院では最も実施件数の多いポピュラーな手術ではありますが、飼い主様と動物にとっては一生に一度の手術です。術前から術後までしっかりフォローさせていただきます。
◆痛み止めについて
ワンちゃんや猫ちゃんも人と同様に痛みを感じます。
手術をする際の「麻酔」はあくまで術中に眠らせるだけで、術中や術後に痛みを感じさせなくするものではありません。当院では動物たちの痛みを軽減するために術前から「痛み止めのお薬」を注射投与しており、動物にとって痛みの少ない手術を行っています。また、痛みを軽減することで、術後の元気や食欲の復活が早く、早期術後回復に効果があります。
◆点滴の活用
手術前には絶食・絶水状態でお越しいただいております。麻酔から完全に目覚めるまでの間で嘔吐した場合の誤嚥を防止するためです。しかし飲水をしていない為、脱水状態に近い状況の体を手術をすることは、少なからずリスクがあるのが現実です。そこで当院では、術前から術中、術後、そしてお迎えの時間まではずっと点滴をしています。(*受け入れてくれる子に限ります)
◆年間 250件 を超える手術執刀数
当院は県内外から眼科でお越しの方が多く、難しい眼科の手術も行っております。とは言え一般的な診療も行っているため、週の半分以上は一般外科です。その中で、避妊や去勢といった予防的外科はもちろん、胃腸や子宮、膀胱などの外科的手術もほぼ毎日20年以上行ってきております。外科手術は獣医師の執刀経験と技術に頼る部分が非常に大きいです。僕は20年以上の豊富な手術経験があります。飼い主様の大事な愛犬・愛猫の手術をどうぞ安心してお任せ下さい。
◆電気メス(モノポーラ/バイポーラ)
電気を使って組織を切ることが出来るメスです。切ると同時に出血を止めながら組織を切っていくため、術中の出血量を軽減してくれます。
◆血管シーリング
血管シーリングとは糸を使わずに血管を結紮する事を可能にしてくれる為、手術時間が短縮し、動物の体にかかる負担や術後の糸への反応などの余計な可能性も軽減されます。
◆高度な生体モニター
当院の麻酔時のモニターでは手術中の、麻酔の濃度や心電図・呼吸数・血圧・体温・動脈血の酸素飽和度、そして吸気呼気の状態をそれぞれ常に確認出来るため、軽微な変化を見逃さずに変化が起こった際には各種対応が迅速に行えます。また麻酔中の動物の状態を知ることで、最小麻酔必要限度での麻酔の濃度で手術を行うことができるため、高齢動物の手術時における心臓への負担軽減にも役立っております。
◆体温維持用保温マット
麻酔をかけられた動物は、約1時間で平常時の1~2度以上体温が下がります。避妊・去勢手術は短時間での手術が可能ですが、子犬・子猫、その逆である老犬・老猫のような脂肪組織の少ない子は30分の手術でも体温が下がってしまいます。そのため、体温維持用保温マットを活用して、手術中の動物の体温維持をすることも安全に手術を行うために重要な事であるのです。
◆抗生剤は注射と飲み薬を選択可能
手術後は感染を防ぐために、抗生剤を投与する必要があります。
しかし、錠剤タイプを飲ませるのが難しい飼い主様には、2週間の効果とはなりますが、持続型の注射抗生剤をお選びいただくことも可能です。
◆術前検査について
手術に必要な「麻酔」。飼い主の皆さまはとても心配だと思います。そのため、当院では安全に手術をするためにしっかりとした術前検査を行い、麻酔や手術に耐えられるかを事前にチェックしています。手術内容にもよりますが、避妊・去勢手術であれば「シンプルな術前検査&手術」でも十分安心ですが、純血腫の猫ちゃんや何か先天性の病気の疑いがある子の手術となると「充実した術前検査&手術」が麻酔への安心のためには必要となります。その子が受けて頂く手術内容によってはより一層の安心をしていただく為に追加の検査を行わせていただいております。
避妊・去勢手術についてはもちろん、外科手術についてご不明な点やご不安な点があればお気軽にご相談ください。
※繁殖の予定がない場合、将来の病気予防のため、実施することをおすすめします。
避妊手術(子宮・卵巣摘出術):生後6ヶ月頃から
生理出血に悩まされることが無くなり、
高齢になると3~4頭に1頭はかかるこわい病気(子宮蓄膿症や乳腺腫瘍)などの予防になります。
避妊手術の時期 | 乳腺腫瘍の発生率 |
最初の発情前 | 0.05%(10,000頭に5頭) |
初回~2回目の間 | 8% |
2回目の発情以降 | 26%(4頭に1頭) |
去勢手術(睾丸摘出術):生後6ヶ月頃から
性的ストレスや攻撃性の低下、精巣・前立腺腫瘍・肛門周囲腺腫・会陰ヘルニアなどの予防します。
※+α【遺残乳歯】
乳歯が残ってしまうと、永久歯が正しい位置に出てこれず、歯並びや咬み合わせが悪くなる。
そこに歯石が溜まり、歯周病の原因にもなります。
※繁殖の予定がない場合、将来の病気予防のため、実施することをおすすめします。
避妊手術(子宮・卵巣摘出術):生後6ヶ月頃から
ネコは交尾排卵という仕組みを持っているので、交尾するとほぼ100%妊娠します。
また交尾の機会がないと何度でも発情を繰り返し、メスでもマーキングがひどくなります
避妊手術の時期 | 乳腺腫瘍の予防効果 |
生後6ヶ月齢までに | 91% |
6ヶ月齢~12ヶ月齢 | 86% |
13ヶ月齢~24ヶ月齢 | 11% |
猫の乳腺腫瘍は高確率で悪性の場合が多いです!!
去勢手術(睾丸摘出術):生後6ヶ月頃から
マーキング(去勢しないオス猫のおしっこはくさい!)や放浪・ケンカ癖の予防、性的ストレスや攻撃性の低下に効果は絶大。お顔もかわいいままになります。