目をしばしばさせる・目を閉じている・目が赤い・元気がない。など。
角膜炎(角膜潰瘍)になりやすい犬種は、ダントツで「シーズー」ですね。
それ以外ではフレンチブルやチワワのように眼が目立って見える短頭種に多くみられます。柴犬は少ないですね。
角膜潰瘍とは、最初の図のように眼の表面にある“カプセル”の部分に傷がついた時の病名です。
図のように角膜は1層ではないので、どこまで傷がついたかという事で治療が異なります。
上皮欠損程度は、数日(3日程度)、実質までの潰瘍になると、範囲や程度により長くかかる場合も出てきます。
デスメ膜まで達すると、かなりの重症となり、出来るだけ早い段階での手術が必要になります。
また、“穿孔”と言ういわゆる角膜に穴が開いてしまった時には、緊急の特殊な手術が必要になります。
それでも、後遺症や緑内障のリスクが残ってしまいます。
ここまで進行してしまう前に、出来るだけ早く病院へお越しください。
黄色い矢印の部分
この写真は、シーズーの角膜潰瘍です。
角膜の部分に傷ができて“いた”と考えられるのですが(黄色矢印部分)、数日間も飼い主さんが来院が出来ず、全体的にひどい角膜炎にまでなってしまっております。
飼い主さんには「重症です」と、お伝えして、自宅でのこまめな点眼と、目の周りの清潔を維持して欲しい事を指示しました。
黄色い矢印の部分
治療開始 7日後 です。
飼い主さんがすごく頑張って点眼をしてくださり、ワンちゃんも目薬を受け入れてくれて、ここまで改善しました。
ここまでくれば、もう大丈夫! もうしばらく点眼の継続を行えば、あとは時間の経過でしっかり回復できるでしょう。
余談ですが、とにかく眼科の治療には、飼い主様のご協力なくして成功はありません!!
どうか、みなさま、「犬育て」コーナーを参考に、将来の為に“今”を頑張ってください!!お願いします。
治療後7日。すっかりと炎症が落ち着き、角膜上の血管も後退しています。もう痛くないね!