ペットの眼の病気は、人と同じく、結膜炎や白内障、緑内障など、軽度の症状から重度のものまで幅広くあります。
さらに、犬種、猫種によってなりやすい眼科疾患も見られます。それだけ多い眼科疾患を正しく診断したり、治療の評価していくためには、眼科専門の検査機器と経験が必要になります。
当院では、各種眼科検査機器を取り揃えておりまして、しっかりした検査結果に基づいた診断による治療を行っております。
また、当院では一般的な動物病院では行われていない、犬の白内障手術や水晶体脱臼、シリコンインプラント置換術などにも対応しております。特殊手術の際は眼科専門医にお越しいただき、当院で一緒に手術を行っております。
今後は今まで以上に、さまざまな眼科疾患に対応できる地域の拠点病院となれるよう、これからも定期的に研究会に参加し、前進していきたいと考えております。(その為、月に1回専門病院での研修があるの木曜日や研究会や学会のある土曜日の午後などは臨時休診がございます。予めご確認の上、ご来院ください。)
この眼科診療室では、よく見られる眼科疾患のご説明や、予防方法などを少しずつ増やしていく予定です。
また、眼科検査は暗室で行うので、どのような検査をしているか、ここでご紹介をしていきたいと思います。
所属学会(眼科系)
比較眼科学会
どうぶつ眼科研究会
関西動物眼科研究会
比較眼科学会 教育プログラム修了証書
ここでは、当院の眼科検査についてご説明いたします。
言葉だけではわかりにくいと思いまして、作成しました(^_^)/
「へぇ~、こんな検査をするんだなぁ。」と思ってみていただけたらと思います。
目に光を当ててその反応を見る検査です。
この検査は、基本的にどんな状態でも行う検査で、一般眼科検査の中の1つの項目です。
ここで、反応が悪い時は、虹彩の病気、神経系(脳を含む)の病気などを考えます。
実際は暗いお部屋で行います(^_^)/
目の細部を拡大してみる検査です。
角膜~水晶体までの色々な情報が見られます。
眼科領域ではルーチン的に必要な検査ですが、水晶体が白くなる病態の核の硬化症と白内障の見極めにも不可欠です。
基本的に大人しい子でないと難しいです・・・(^-^;
スリット画像についてはこちらをどうぞ。
当院では、飼い主様にも後ろのモニターに映る画像を実際に見てもらえることが出来ます。
涙の量を見る検査です。ドライアイの診断が出来ます。
ドライアイは奥が深い病態であり、人のドライアイと違って、涙を出す組織が免疫学的に破壊されてしまう事がほとんどです。特に、シーズーに多く見られます。
また、現場として重要なものに、先天性にドライアイになる犬種として、ヨークシャテリア、ウエルシュコーギ―、ダックスフントなど。
これらの犬種では、早期発見がその後の治療を大きく左右するので、定期的な検査をお勧めいたします。
緊張していても、下がることもありますので、落ち着いた所で行います(^^♪
こちらも、大人しい子でないとこの紙が落ちちゃいます。(^-^;
人では目に風を当ててみるのですが、ワンちゃん、ネコちゃんではそんなことしたらビックリしてしまうので、
写真のように、測定機器を直接を軽く接触させて測定します。
眼圧測定はとても重要な検査であり、例えば、見た目に白目が赤い時でも、数値が低い時はブドウ膜炎で、高い時は緑内障なケースがあります。
この様に、同じように見える状態でも眼圧の違いによって、まったく違う治療になるので、大変重要な検査になるのです!
これも、ワンちゃんのご協力が必要です(^-^;
あんまり暴れてしまうと、血圧が上がるので数値が上がってしまいます。
目の奥にある硝子体や、網膜というカメラでいう所のフィルムにあたる目の構造や、視神経乳頭部を確認する検査になります。
基本的には、瞳孔を広げるお薬を点眼して、散瞳させてから検査に入ります。
眼底にはかなりバリエーションがあり、正常と異常の区別が難しいこともあるため、若い時に画像を保存しておくと、病気になった時に異常部位が容易に判明することもあるので、健康な時に眼底写真を撮っておくことをお勧めいたします。
特に、シェルティーやコリー系のワンちゃんでは網膜に異常がある事が多いため、若い時に検診しておくと良いでしょう。
当院では、僕の診ている画像を録画できる「ビデオオメガ A-Cam」という装置を導入しております。
また、ClearViewという眼底カメラも同時に使用し、記録したものを用いて、飼い主様にわかりやすい様に説明しております。
お腹の中や心臓の超音波検査と同じく、眼球の中の異常を見つける検査です。
多くは、網膜剥離、白内障に伴う水晶体の厚み増加のチェックに用いますが、それ以外に、眼内腫瘍、眼球の奥の腫瘍の存在の確認などにも使用しています。
この検査は、直接ワンちゃんネコちゃんの目にプローブをあてて行うので、これも、興奮してしまう子は検査が出来ませんので、鎮静が必要になります。
網膜剥離を起こしている画像
カモメが羽ばたいているように見えるのが剥離した網膜(矢印部分)。
『目が見えていない』
このような、視覚喪失になる疾患として、眼球自体の病気だけではなく、脳神経の病気もあり、
眼科領域の病気なのか、脳神経系の病気なのかを見極めるのに重要な検査です。
眼瞼反射の存在下で、網膜電位図検査が正常な時は、脳神経系か視神経の病気が疑われるため、岐阜大学動物病院や京都の神経専門病院でのMRI検査をお勧めしております。
また、白内障で手術による視覚回復が可能か不可能の診断においても重要な検査であり、M,ダックスやトイ・プードルで多く見られる、進行性網膜萎縮の進行ステージでは電位図検査において反応が消失している。
専用のシートの上の、左側の機械で微量の電気の流れを測定します。
基本的には無麻酔で行いますが、眼球に特殊なレンズを装着しますので、どうしても難しい時には鎮静が必要になってしまいます。